「梅酒は家で作っているけど、それって大丈夫なの?」
「どぶろくを作るのは違法って聞いたことがある…。」
このような疑問を持ったことはありませんか?
どちらも家庭で作るお酒のように思えますが、実は法律上の扱いは大きく異なります。
その違いを知るキーワードは、
「発酵」
です。
この記事では、
- 梅酒はなぜ自宅で作れるのか
- どぶろくが禁止されている理由
- 酒税法との関係
- 自宅で作ってよいお酒・ダメなお酒
についてわかりやすく解説します。
結論|違いは「新たにアルコールを作るかどうか」
まず結論からお伝えすると、
梅酒は「すでに完成したお酒」を使って作るのに対し、どぶろくは「発酵によって新しくアルコールを作る」お酒です。
この違いが法律上の大きなポイントになります。
梅酒はなぜ自宅で作ってもいいの?
梅酒作りでは、
- 青梅
- 氷砂糖
- ホワイトリカーなどの蒸留酒
を使うのが一般的です。
ホワイトリカーは、すでにアルコールとして完成しているお酒です。
そこへ梅や氷砂糖を漬け込むことで、梅の香りや風味を移していきます。
つまり、
新たにアルコールを作っているわけではありません。
法律上は「リキュールを作る」というよりも、「完成したお酒に風味を加える」という扱いになります。
実は梅酒なら何でも作れるわけではない
ここで一つ注意点があります。
家庭で果実酒を作る場合は、
アルコール度数20度以上の酒類
を使用する必要があります。
そのため、
- ホワイトリカー(35度)
- 焼酎(20度以上)
などは使用できます。
一方で、
- 日本酒
- ワイン
- ビール
など、アルコール度数20度未満のお酒を使って家庭で果実酒を作ることは、酒税法上認められていません。
これは、漬け込んだ果実に残る酵母などによって発酵が進み、新たなアルコールが生成される可能性があるためです。
どぶろくはなぜ作ってはいけないの?
どぶろくは、
- 米
- 米こうじ
- 水
を発酵させて作る日本酒の一種です。
この発酵の過程で、
酵母が糖をアルコールへ変える
ため、新しいアルコールが作られます。
ここが梅酒との最大の違いです。
酒税法では「お酒を造る」ことになる
日本では、アルコール飲料を製造するには原則として酒類製造免許が必要です。
家庭でどぶろくを作ることは、
酒税法上の「酒類の製造」
に該当するため、免許がなければ認められていません。
これは販売目的だけでなく、
自分で飲むためだけに作る場合でも同じです。
なぜ法律で禁止されているの?
「家で少し作るくらいならいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、この法律には大きく2つの理由があります。
理由① 酒税を公平に徴収するため
お酒には酒税が課されています。
誰でも自由にお酒を製造できるようになると、税金を適切に徴収することが難しくなります。
そのため、日本では酒類製造免許制度が設けられています。
理由② 安全性を確保するため
発酵は微生物が関わる繊細な工程です。
衛生管理や温度管理が適切でないと、
- 雑菌が繁殖する
- 品質が安定しない
などの問題が起こる可能性があります。
こうしたリスクを防ぐことも、制度の目的の一つです。
甘酒は作っても大丈夫?
ここで気になるのが甘酒です。
実は甘酒には2種類あります。
米こうじ甘酒
米こうじの酵素で米のでんぷんを糖に変えたものです。
アルコールはほとんど含まれないため、自宅で作ることができます。
酒粕甘酒
酒粕をお湯で溶いて作る甘酒です。
酒粕由来のアルコールがわずかに含まれますが、新たに発酵させているわけではありません。
こちらも家庭で作ることができます。
海外では家庭でお酒を作れる国もある
実は国によってルールは異なります。
例えば、一部の国では、
- ビール
- ワイン
などを家庭で作る「ホームブルーイング」が認められている場合があります。
一方、日本では酒税法によって酒類の自家製造が厳しく規制されています。
家庭で作れるもの・作れないもの
| 作れるもの | 作れないもの |
| 梅酒(20度以上の酒類を使用) | どぶろく |
| 果実酒(条件を満たすもの) | 日本酒 |
| 米こうじ甘酒 | ビール |
| 酒粕甘酒 | ワイン |
※法律や制度は改正されることがあるため、最新の情報は国税庁などの公的機関で確認しましょう。
まとめ|違いは「発酵してアルコールを作るかどうか」
梅酒とどぶろくは、どちらも家庭で親しまれているイメージがありますが、
法律上は大きな違いがあります。
- 梅酒は完成したお酒に梅を漬け込むもの
- どぶろくは発酵によって新たにアルコールを作るもの
つまり、
「新しくアルコールを造るかどうか」
が、法律上の分かれ目だったのです。
普段何気なく飲んでいる梅酒にも、実はこんな面白い法律の背景があるんですね。
最後までお読みいただきありがとうございました!
それではまた!
